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広島市では、当工業技術センターにおいて、中小企業が抱えている技術的な課題に対応するため、試験・検査用機器の整備を進めています。
令和7年度に、(公財)JKAの補助を受けて周波数分析装置を整備しました。新製品開発や品質管理などにお役立てください。
皆様の課題に合わせて、評価方法の御提案や操作方法の御説明もいたしますので、お気軽にお問い合わせください。
<機器の用途>
試験対象物に加速度センサーを取り付けて振動データを取得、分析する装置です。また、同じく令和7年度に更新した騒音計と接続することで、騒音計で取得した音の詳細な分析も可能で、製品や設備の不具合の調査や対策に活用することが可能です。
本装置を用いて振動データを分析することで、以下のようなことができます。
〇製品や設備の共振周波数
〇軸受損傷や回転体のアンバランスに伴う異常振動
〇異音や騒音の発生源の特定や防音対策の評価
<型式等>
小野測器株式会社
本体:音響振動解析システムDS-5000
ソフトウェア:O-Solution
<主な仕様>
〇サンプリング周波数:102.4kHz
〇入力信号のチャンネル(Ch)数:15Ch
〇アナログ/デジタル変換器:24bit ΔΣ型
〇同一ユニット内チャンネル間の位相精度:±0.1°(20kHz未満)、±0.7°(20kHz以上)
〇回転パルスの入力端子:1ch
〇分析機能:時間軸波形分析、FFT分析、オクターブバンド分析、スループット機能
<設備使用料>
230円(1時間あたり)
<試験手数料>
1件(試験時間1時間以内)につき 1,310円(1時間を超える時は、1時間ごとに230円を加算)
~インパルスハンマーを用いた自動車用ドアヒンジ部品の振動特性の確認~
製品に振動が加わった際には、製品の材質や形状に応じて異なる振動特性が現れます。振動に対して高い耐久性を持つ製品を開発するためには、振動特性を把握することが必要不可欠です。ここでは、周波数分析装置を用いて、自動車用ドアヒンジ部品の振動特性を確認した事例を紹介します。
振動特性を確認する際には、振動データを測定できる加速度センサーを試料に取り付けた状態で、外部から振動を加えます。加速度センサーで測定した振動データを分析することで振動特性を知ることができます。外部から振動を加える際には、インパルスハンマーや振動試験機を使用します。今回は、インパルスハンマー(図1)を使用して振動を加え、試料に取り付けた3軸タイプの加速度センサーで振動を測定しました。

3軸タイプの加速度センサーは、X、Y、Zの3方向の加速度を同時に測定することが可能です。図2に試料、図3に試験の様子を示します。

振動を加えると、図4のように横軸が時間、縦軸が振動の強さを示す時間軸波形を測定できます。時間軸波形を分析することで、振動の最大値や発生したタイミング、振動がどのように減衰しているかといった振動特性を知ることができます。

時間軸波形に対して周波数分析を行うことで、縦軸が振動の強さ、横軸が周波数を示す周波数軸波形(図5)を算出できます。周波数軸波形を分析することで、試料の共振周波数や、時間軸波形では判別が難しい高い周波数域の振動特性を知ることができます。ここでは、X、Y、Zのいずれの方向においても、1400Hz、1775Hz、1950Hzで共振ピーク(図5の〇部)が確認できました。

今回の測定結果から得られた、ドアヒンジの共振周波数や振動の大きさの情報から、振動の影響を受けやすい周波数範囲や、車体から伝わってくる振動がどのようにドアに伝わるかがわかりました。
このように、試験から取得できた振動特性と、実際に製品に加わる振動条件を考慮して製品の形状や材質、構造を検討することで、振動に対して強い製品を開発することが可能となります。
周波数分析装置を活用した振動評価技術については、研修会も開催しております。御興味のある方は、お気軽にお問合せください。