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世界的なカーボンニュートラルの流れの中、自動車業界では車両のEV化へのシフトチェンジが加速しています。自動車部品関連企業の多い広島地域には大きな影響があると予想されます。
こうしたなか、当センターでは、EV関連技術に関する職員の知見を深めること、自動車部品関連企業やEV分野の新事業展開に関心のある企業に対する技術支援施策を検討することを目的として、令和4年度~6年度に「EV分解調査プロジェクト」という取り組みを実施しました。
(1)EVの分解と展示
当センター職員が、平成23年式の日産LEAFの分解を行いました。令和4年10月からは一般展示を開始し、令和7年3月までに、およそ200団体、延べ800名以上の方々に見学いただきました。「1企業では、ユニットや部品単位でないと入手が難しいが、周辺部品も併せた車両全体で見ることができて良い」などの声もありました。
(2)関連技術の講習会の開催
令和5年度には、地域企業の電動化への対応に向けた取り組みに資する技術提供を行う以下の講習会を新規に立ち上げ、今後の電動化の見通し、必要となる技術などの情報提供を行いました。
これらの講習会は令和7年度も実施しています。
ア 自動車のEV化に向けた技術講習会
令和5年度テーマ 「電気自動車の基本と駆動用モータと制御機器」
令和6年度テーマ 「各国の電動車用インバータ分解解説とそこから読み解く2030年へ向けて日本の産業界が執るべき技術戦略」
令和7年度テーマ 「EV化にむけて、モノづくりに期待される技術とは~CASE時代を勝ち抜くために~」
イ 軽金属材料講習会
令和5年度テーマ
講演1 「電動化による自動車産業集積への影響と今後の展望」
講演2 「自動車軽量を実現するマグネシウム合金と表面処理」
令和6年度テーマ
講演1「モビリティの熱マネジメントを支える熱交換器の製造技術動向」
講演2「カーボンニュートラルのためのサステナブル軽金属蓄電池用負極材料」
(3)EV部品の調査
分解した部品について、当センターの職員が素材、強度、耐久性、耐候性などを調査し、電動化対応が必要なサプライヤーの技術支援に資する情報収集を行いました。
見学では、実際にEV関連部品の受注やその打診を受けている企業のほかにも、自社技術を活かして自動車部品業界に進出できないか検討したいという企業もありました。自動車関連部品企業だけでなく、多種の業種の企業に非常に関心を持って見学していただいています。分解調査した車両についてはいまだ見学要望があることから、引き続き受け付けておりますので、ご関心のある方はお問い合わせください。
当センターでは、今後も自動車関連技術動向に詳しい専門家や、最新の電池関連技術のほか、軽量化に資する材料や熱マネジメントなどEV化対応のために注視すべき技術の大学専門家を招聘した講習会を開催し、広島地域の製造業者の得意技術を活かした新製品開発支援を図ります。技術講習会の情報は随時、工業技術センターホームページに掲載しますので、ご覧ください。
工業技術センター 技術振興室
TEL : 082-242-4170(代表)
E-mail : kougi@itc.city.hiroshima.jp