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WC-Ni-WS2超硬合金の乾式摩耗特性


WC-Ni-WS2超硬合金の乾式摩耗特性

倉本英哲 隠岐貴史 松木一弘* 柳沢 平*
          

 二硫化モリブデン(MoS2)や二硫化タングステン(WS2)など一般的な硫化物系固体潤滑剤について、非常に優れた潤滑特性を示すものの、高温での熱安定性は優れているとは言えず、例えば焼結時の熱による分解等が起こる可能性が高く、その特性が失われることが考えられる。一方、筆者らはこれまでに炭化タングステン(WC)粉末に無電解ニッケル(Ni)めっきを施し、その粉末をそのまま放電焼結することにより、均質な組織を有するWC-Ni超硬合金圧粉体を作製するプロセスを開発した。このプロセスでは、無電解Niめっきに含まれるリン(P)の効果によって、1123~1273Kという比較的低温での焼結を完了することができる。
本報告では自己潤滑特性を有する炭化物系超硬合金を作製することを目的とし、粉末へのめっき→放電焼結のプロセスを用い、このプロセスで作製されるWC-elpNi合金に硫化物系層状固体潤滑剤であるWS2を添加して、WC-elpNi-xwt%WS2(x=0~5wt%)合金を作製した。また、作製したWC-elpNi-xwt%WS2合金の摩耗試験を行い、その摩耗特性について調査した。得られた結果は以下のとおりである。
WS2を添加すると、バインダー相であるNiの一部と反応し、Ni硫化物を生成することが分かった。このNi硫化物は脆い特性を示し、また、WS2を添加することによって、バインダー相の相対的減少が起こるため、WC粒子の保持力が低下して、WS2添加量が大きくなるほど比摩耗量が大きくなった。つまり、WS2粒子を添加することで摩耗形態は主としてWC粒子の離脱となり、摩耗特性の改善については、その影響が大きすぎるためにほとんど見られず、むしろ悪化することとなった。

キーワード:WC-Ni超硬合金、放電焼結、比摩耗量、固体潤滑剤

*広島大学大学院工学研究科



詳細をpdf形式にて御覧いただけます。WC-Ni-WS2超硬合金の乾式摩耗特性.pdf(586KB)


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