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真空焼結後HIP処理したTi-6AI-4V合金の引張性質*

真空焼結後HIP処理したTi-6AI-4V合金の引張性質*


隠岐貴史 松木一弘** 畑山東明** 柳沢 平**

 Ti-6mass%A1-4mass%V(Ti-6-4)合金を焼結法により作製するため、純チタン粉とA1-42mass%V合金粉を混合後、これに真空焼結、あるいは真空焼結のあとHIP処理を施した。得られた材料の組織と引張性質の関係を検討し以下のような結果を得た。
 真空焼結状態の組織は、焼結温度によって次の2種に大別できる。タイプ(1)1400K以下の場合:アスペクト比の小さいα相とβ相の2相、タイプ(2)1400K以上の場合:α相とβ相より成るラメラー組織と旧β粒界を示す粒界α相。なお、タイプ1の組織を呈した材料に関しては、焼結温度の上昇とともに、相対密度が上昇し、引張強さと延性はともに増加の傾向を示した。一方、タイプ2の組織を呈した材料に関しては、焼結温度の上昇とともに、相対密度と引張強さは単調に増加したものの、延性は一旦低下した後、1500K以上の焼結温度領域で温度上昇とともに増加の傾向を示した。
 約1273K以上で真空焼結したものに、HIP処理を施すことで密度と引張性質の改善が認められ、これらの材料のうち、βトランザス以上でHIP処理したものは、上述のタイプ2と同様の組織を呈し、平均粒界間隔(旧β粒の大きさに対応)の増加に依存して延性が低下した。また、βトランザス以下でHIP処理したもののうち、上述のタイプ1と同様の組織を呈したものは、良好な引張性質(延性、0.2%耐力、引張強さ)を示した。従って、高延性・高強度を示す材料の組織は、真空焼結およびHIP処理状態においてアスペクト比の小さいα相とβ相より成るものであり、HIP処理温度を、βトランザス以下(1073-1173K)で調整することにより、本組織を得ることができる。

 キーワード:Ti-6mass%A1-4mass%V合金、真空焼結、HIP、焼結組織、引張性質


*軽金属 第46巻 第8号(1996)371-376より転載
**広島大学工学部


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